ヤフオクなどで、よく見かけるHenry社、3KW高周波電源のアマチュア無線用に改造です。
                                                                                                               2005.Jan.14

 このAmp、13.56MHz、真空管3CX-3000A7、OutπL、Inπ型同調回路です、電源は3相200V仕様になっています、
改造に辺り、Stby回路、In.OutのRL追加、など結構やる事は多いです、今回AntRLは、VR-421(RJ-2クラス)を使用
の為、DC28V程度が必要となりました(12V用があれば問題なし)、低圧回路が12V両波整流でしたので、ブリッジにして
倍の電圧を作り、本来必要な12Vラインは、3端子レギュレーターで供給しました。

 RX時カットオフは、10KΩのホーロー抵抗をシリーズ接続で、Biasは簡単に行っています、動作時には0Biasです、
無負荷時の高圧は、4.7KV程度と低めです、チョークインプットと思い、コンデンサーインプットに変更して、1時側を、
230V端子に変更して、高圧を上げるつもりでしたが、変更後230Vにした分高圧が下がりました、よく見ると、チョークに
共振コンデンサーがありません、このチョークは、スイングチョークとして働くのではなく、単なるリップル用でした、高圧
は、4.7KVで諦めるしかありません、負荷時4.1KV迄下がり、Outに対して今一でした。

 Out特性は、In250WでOut4.5KW、Ip1.5-1.6A、Ig400mAと少し多めです、真空管を新品に交換しましたら、Ig300mA
と気持ちの良いモノになりました、Outは少し?増えた程度でした、今までの経験から言って、元から付いている真空管は
当然ですが、少し劣化しているようです、負荷時5KVをキープすれば、Outは、5KW以上は確実で、Igも少し少なくなる
でしょうね。

 Bandは、7,14,21,28MHzで確認しています、3.5MHzは、PlateTuneが実測15-40PF可変、Loadが30-90PF可変と
大変狭く3.5-3.8MHzのカバーは、VVCなど使用しないといけません、大幅な筐体加工が必要なため、今回は行いま
せんでした(策は既に考えています)、各BandOutは殆ど同じでした、7MHzは、フィラメントチョークを、そのままで使用
インダクタンスが十分に取れず、入力同調回路の定数が、変な値になっています、思ったよりロスは意外と少なく、他の
Bandと、変わらない位ドライブしますので、無理してフィラメントチョークを交換する事もないでしょう、タンクコイルは、
Plate、Load共にCの可変範囲が少なく、3.5MHzを思わせるような、HiLコイルになっています、7-7.3MHz迄をスムーズ
に同調出来るように苦肉の策となりました。(能率は全く問題がありません)。

 今回特に苦労したのは、入力同調回路です、GG動作ですので、アナライザーで追い込む事が出来ず、動作させなが
らの定数決めです、RFデッキの入れ出しが大変で、10回位でねを上げました、仕方なくC1.C2にVCを付ける事にしまし
た、簡単に上手く行き最初からやれば良かったのですが、穴を開ける作業が面倒と思い、踏み切れませんでした、最終
的に固定Cに置き換えて動作確認しています。(勿論入力SWR1.2以下です)

 高圧プロテクタと、OutプロテクタがOut4KW程度で働きます、高圧は1.5A程度で動作します、写真にあるように可変
ホーロー抵抗で、感度調整します、Outプロテクタは、写真にある弁当箱の中のOp.Amp基板のボリウムで調整します、
写真の一番上のライン、3個のVRこれは反射用です、右からメーター感度調整、0点調整、反射プロテクタ感度調整、
です2番目のラインは、進行波用です動きは、反射用と同じですので、私はプロテクタ感度を最低にしています、写真
でも確認出来ると思います(マジックの位置と違う)。

 余談ですが、ローカルが3CX-3000A7(ヤフオクで落札)を2本持ってきました、テストしてくれとの事です、14MHzで
テストしました、1本はOut2.5KWしか出ません、フィラメント電圧を現在7.1Vから8.1V迄上げました、何と4KW程度でる
様になりました、もう1本はある程度状態が良く、7.1Vでも4KW以上でます、8.1Vにしても殆ど同じでした、過去にも経験
がありますが、良い真空管は、フィラメント電圧を上げても殆どOutに影響がありません、真空管のフィラメント寿命から
言って、新しい特は7.5V以下で使用しましょう、劣化して最後の手段として、電圧を上げて臨終まで、逝かせて下さい。

 注意
ヒーター電圧を上げると、その内必ずグリッドが垂れてG-Kタッチを起こします、3極管ですから、ドライブが入らなくなる
だけで、勿論Outも出ませんが、大きな問題は発生しません、この時の症状は、スタンバイ時でも、IPが流れIGが逆振れ
します。

 4極管では、G-Kタッチは重大な問題が発生します、通常掛かっているBiasが0V(動作時-300V)になり、(注意深くIGを
みれば逆振れしています)、この状態で、TX状態にすると、SG電圧が掛かりますので、強烈な勢いでIPがドカント流れます、
RFCの焼けや、ダイオードの飛び、その他高圧がショートした状態に近い問題が発生します、二次的被害が大きいことが
あります。


送られてきたHenry高周波電源
前面パネルを開けました
天板を外したところ
背面です
RFデッキ内部
コイルなど黒くなっていますが問題なし
MB-12B、AC100Vが直に付いています。
改造する前です
フィラメントチョーク、銅パイプです、中に2.6φ
コイルを外してみました
Plate可変C、15-40PFと大変少ない
AntRL、シーメンスVR-421(RJ-2同等品)
元からあるネジ位置に取り付けました
入力切替RL、HC-2を使用
改造後です
14MHz、コイルは、元のまま使用しました
その為固定Cを20PFに変更
Oper/Stby切替SW増設(青いのです)
低電圧回路改造
12V3端子とブリッジダイオード
黄色いセンタ−ラインは、外します
赤い線がRL用電源供給
OpAmpBox弁当箱
VR右から、Gain、Zero、プロテクタ感度、上R下F
最終調整中です
Plate電圧少し低いね〜
これ位はOutしました
低電圧基板
裏に高圧電流制限用抵抗、下げると感度低下
高圧が切れると、TRX、RL電圧もカットの配線
入力SWR、これ位は下げましょう
左から14,21,28MHzタンクコイル
7Mなんと3.5MHzでも使えそう9.8μH
21MH、2.3μH
28MHz、1.8μH
14MHz、3.6μH
Birdラインこの部分だけでも大変高価
フィラメントトランスの1次側に10Ω、20V電圧降下
Out4KW時の各メーター指示


次は21MHzに改造です。
入力コイル6T、C1.100P、C2.68P
入れ出しが大変なため、VCを増設
21MHz用RFデッキ
Plate、固定Cはありません
πLコイル
アナライザー調整、Plateに2KΩ抵抗


28MHz
入力コイル4T、C1.90P、C2.22P
28MHz用RFデッキ
これもPlate固定Cなし
πLコイル4T
PlateRFC、安全の為ショートしました
魂挿入中エキサイターFT-1021X


7MHz
入力コイル10T、C1.120P、C2.530Pと異常な値
7MHzRFデッキです。
πLコイル13T
3.5MHzを思わせるコイル
Plate固定Cは50PFです
息子の車です、今回関係なし


入手した電源回路、実際とはかなり違うが、十分に参考になります。


企業秘密の、コイル、コンデンササー定数、かなり苦労しました。


実際の回路、図面とはずいぶん違う