初めての真空管GU-84B*2で、コンテスト向けヘビーデュティ−Amp製作しました。

 初期の目標は3.5-28MHzの予定でしたが、1本辺りのPlate.cが大変多く実測25PFでした、勿論2本で50PF以上ありました
28MHzでは、内径40mmのコイルが2Tしか巻けません、28.24MHzは実用にならないと、諦めました。

 入力Cも、大変多く250PF以上あります、流石の魔法のマッチング回路もとても28MHz迄伸びることが無く、SWR3以上です、
Out回路に問題があり、入力回路だけ24.28MHz追い込んでも意味がないモノですので、あまり追求しませんでした。

 結局3.5-21MHzのAmpとなりました、この球低電圧大電流で、Plate.Zpは、Out8KW時900Ω程度です、50Ω変換での
ストレスが大変少なくなります、5000Rと比べてZp1/2以下です、タンク回路の発熱など少なく、FBです。

 Plate電圧は、負荷時4KVキープしています、高圧トランスは3相12KVAと余裕の設計です、SG電圧は、DC300.330.360V
とトランスにタップを出し、動作確認しました、私の場合360VでもIPが動作時2.7A迄しか流れず、Out10KW迄には至りませ
んでした、そこで研究のため外部から30Vほど追加して、SG400V近くに設定しました、IPが元気よく3A流れ目標のOut10KW
を何とか確認することが出来ました、但しこの時はCGに1mA程度流しました(AB1ではない)、殆どCGが流れないドライブでは
Out8KWチョットでした。

 3.5-21MHz迄、In100W程度でOut10KWです、耐久テストとして、3.5-7MHzで8KW、CWキーダウン10分間テスト行いました、
この真空管、風圧風量がかなり必要との事ですので、今回Fanには、MB-12Z(MB-1255-D)を2個使用しました、プロで使用
するレーザー温度計で、Plate部分を直接測定しました、1-2分でMaxの55℃になり、10分後でも全く上昇はありません、停止後も
数十秒で元の温度30℃以下になります、Fan2個での冷却は十分すぎるようです、以前製作した4CX-10000Dの時は同じくFan
2個使用しましたが、10KW連続10分後は80℃迄上がりました。

 他の部品の温度も測定しました、VVC、パラ止め、Plateカップリングコンデンサーなどは、殆ど問題になる上昇はありません、
バリLに温度上昇の気配があります、一番心配なロータリー接点部の温度が10分後では50℃程に上がっていました、しかし
接点が焼け落ちる心配は、ありそうもないです。

 勿論現在の電波法では、Antに接続する事は出来ませんが、ダミーでの連続キーダウンは、7MHz以下は8KW、21MHz
以下は5KW程度は全く問題のない数字になりました。

完成したGU-84B×2コンテスト用Amp
メインシャーシ加工
Plate500PF.バリL15μH.Load2000PF
殆ど部品を取り付けました
カップリングコンデンサーは、80mm1200PF
部品点数が少ないソケット周り
SGブリーダは2KΩ
21MHz迄しか使用できないマッチング部
Fan2個使用
背面には吸い出し用大型Fan2個使用
Hi.Bandは少しπL?
完成したRFデッキ、コイル後変更
裏全体の眺め
パラ止めとRFCの配置
28MHz用?コイルまき直しました
実用にならない2Tコイル
電源部ステップスタート内蔵
オイルコンは、6.5KWV4μF
トランスは12KVA、AC3000V
魂挿入中
Plate温度クール時26.4℃です
Out8KW、10分後です、54.7℃
完成したRFデッキ
Out10KWの証明
Bird43、10000H
Bird4410A、100%
8KWキーダウンで10分間テスト

製作者JA6TAYから一言

 GU-84B、好きになりそうな真空管です、使いやすい低電圧大電流、設計するに辺り苦労が大変少なくなります、高い電圧は部品
調達の苦労(特にオイルコン)や絶縁問題、Plate.Zpが低いのでタンク回路の耐久性などプラスになり、RF部のバチーンやコンデンサー
の耐圧などある程度軽減されます。

 この真空管、ヒーター電圧は逆に、高電圧低電流です、27V.4Aと大変使いやすくなっています、5000Rなどでは、ヒーターは単独で
14SQを使用していましたが、今回は12pメタルコネクターに同居させています、RF部と電源部の接続が大変スマートになりました。

 4極管ですので、SGの暴れが心配です、今回使用のソケットはSGパスコン付きです、実測0.016μFでした、SG逆流の流れ込みは、
意外と多く、最初SGブリーダに120mA流していましたが、逆流は40mA近くあり、気持ちの悪いモノでした、現在SGに200mA流しています、
逆流は20mA程度になり、安心して使用できます、真空管が新しいせいかSGフラッシュのようなモノが、3度経験しました、SGに入れている
1Aヒューズが飛びました、その後安定してヒューズが飛ぶことは発生していません。

 欠点と言えば、防熱管ですのでヒーターウォーミングアップに2-3分必要です、勿論このSetにはStby.高圧オンディレー回路は内蔵しま
した、過去での4CX-1000Aや8877など使用された方には、納得いくでしょう。

 Power測定は、精度の問題など考慮して2台同時で(BIRD43.BIRD4410A)測っています、過去測定の精度を気にされた方のためです、
大きくは狂っていないと思います、Plate能率も最大Out時には75%程度と高能率です、そのせいかPlate損失も少なく、発熱に良い影響を
与えています。