Henry 2002Aを修理しました

症状は
 Power少ない、実測200Wでした。
 InSWR、温度変化激しい
 BPFが、シビアで調整が不安定
 音がうるさいので、ファン交換

これがHenry2002A
上蓋を外したところ
RF.OUTキャビティ
Plate容量板がGndの間でスパーク
入力同調回路、Lが大きくロスだらけ
ケースから、取り出し中
これがFRデッキの全体

こんなもので、入力が正常に入らない
Plate容量板を延長している
スパーク部のクローズUP
共振板です、割と短い
延長している板を外しました
交換したファン
入力コイルなど、外しました
容量板の可動部にブラシでGnd強化
どうです、此で完全にGnd出来ます
交換したファン
Out、アナライザーで調整中
完成した入力スッキリして、吸い込み抜群
完成したRFキャビティ
くせ者のBPF
共振ラインが、曲がっていてfが合っていない
手直しして完成したBPF
コネクターを、N型に変更してみました。
ネットアナライザーで調整中
Mコネでの特性50Mで-5dB 250Mで-30dB
スパンを1dBにして、センターロス測定-0.12dB
Nコネでの特性50M-5dB 250M-35dB少し良い
スパンを1dBにして、センターロス測定-0.041dB


 一言
 今回初めて2002Aの修理を行いました、かなりRF内部を扱われていて共振周波数などずれていました、原因はBPFの特性不良で
Fやインピーダンスなど乱れたまま、キャビティを調整した物と思われます、実際BPFを外した方がPowerが低い状態でした。

 BPFを外し、RFキャビティのみでPowerを出すことから始めました、手直しや回路変更など単独でOut1KW出るように修理しました
その後、BPFの手直しを行いました。

 BPFをネットアナライザーで測定すると、とんでもない特性です、Fがずれているし、ロスもかなりありました、BPFの中を観てみると
共振板に対して、IN.OUTのピックアップラインの間隔が対象ではありません、これではIN.OUTのインピーダンスが同じになること
が出来ません間隔を細かに調整してセンターロスを-0.12dBまで追い込むことが出来ました、最終的にはコネクターもMからNに
変更しました、結果センターロスM-0.12dBに対してN-0.04dBと0.08dB改善され、F特性も250MHzで-30dBから-35dBと改善しま
したが、実用上どちらも大きな違いはありませんね。

 BPFをSetに挿入してチェックしました、Power計で測定しましたが、全くPowerに変化が無く特性通りの結果です、とても満足しま
した。

 最後に、感心したことはOutの共振板で、長さ160mm幅40mmとこんなに小型の物ですが、能率には全く問題がない事が分かり
ました、能率は65%以上と大変FBです。